このブログは僕(ジュン)とエリカ、カノくんの3人のストーリー。あらゆるシェアリングを活用して、セレブライフを探求している。
前回はカノくんがエリカと焼肉店でデートし、かなり好評だったと聞いたので、僕も負けてはいられないと洋風庭園でのお肉料理に誘った。
今回もスーパーカーをNoleggioでシェアさせていただいている。
選んだ車は8月に新しくラインアップされたポルシェ911カレラ。
「へー、初めて見る車。この馬のエンブレムはポルシェ? そう言えば2年前に芝公園のおとうふ屋さんに連れて行ってくれた時もポルシェだった記憶があるわ。あのときはオープンカーだったから別の種類なの?」
さすが記憶抜群のエリカだ。
2年前はポルシェ911カブリオレだった。
最先端のカブリオレと比べると、このカレラは旧式と言ってよい。
911の前期型なので911.1とも呼ばれている。
最高出力が350psの3.4L水平対向6気筒エンジンを積んでおり、911.2からはターボエンジンに切り替わるので、自然吸気エンジン(NA)を味わえる最後の車種だ。
最新型のポルシェを購入できる人でも、この自然吸気ならではの切れ味を味わいたいと、あえて911.1を購入することもあるぐらい人気がある。
「リアエンジンならでは乗り心地も斬新でいいわ。それで、ジュンさん今日はどこに連れて行ってくれるの? ポルシェということは前回通り都心かしら?」
エリカはその辺りの勘も鋭い。
「今日は青山だよ」
「やっぱり。ということは初めてのお店ではないんだ。結構いろいろなお店に行ったものね」
「いやいや、それが初めてで、洋風庭園のビアテラスだよ」
「前のポルシェでは素敵な日本庭園で、今回は洋風庭園か、さすがジュンさん! 楽しみー!!」
しばらく都内を走ってエリカとドライブを楽しんだ後、目的地に向かった。
「そっか、今日のディナーの場所は明治記念館ね! 美味しい鉄板焼きのお店や懐石料亭があったけど、ビアテラスなんてあったかしら?」
ライトアップされた明治記念館の緑が幻想的だ。
駐車場も都心のど真ん中だというのに無料で利用できる。
「ここのビアテラスは、鶺鴒(せきれい)っていう名前なんだ。季節もすっかり秋だからね、ちょうどピッタリだろ?」
「なんだかヨーロッパの映画のワンシーンのようね」
「イタリア料理やフランス料理が味わえるよ」
「美味しいワインが飲めそう!」
僕は運転があるのでノンアルコールビールだが、エリカの言うようにワインに合う料理ばっかりだ。
「鮪とアボカドね。山葵マヨネーズソースなんだ、さっぱりしていて美味しい!」
「こっちは鱧と貝柱のフリットだよ。イタリアンだけど、和風タルタルソースで食べると絶品だね!」
「和洋折衷って感じなのね。雰囲気も素敵だからなんだか夢心地」
そう言いながらエリカは5杯目のワインをお代わりする。
光と影が交差する空間での食事もまた格別だ。
いつも以上にエリカが夜に映えて妖艶なのにドキッとした。
「うわー、美味しそうなお肉!!」
メインディッシュはこちらのローストビーフ。
ボリューミーだが柔らかい。
お肉好きのエリカは大興奮だ。
「秋は季節の変わり目で体調を崩しやすいから、旬の美味しい物を食べて精力をつけないとな」
「ジュンさんのおかげで最高のコンディションで明日からも働けそう」
最後は締めのデザート。
ヴェリーヌパルフェだ。
美しい断面のグラスデザートである。
「フレンチのデザートで閉幕なんて完全降伏の気分。美味しい! 完全なデザートと呼ばれているだけのことはあるわねー!」
そう言ってため息をついたエリカの表情はかなり満足したことを物語っていた。
今晩はまだ先は長い。
いつも以上に楽しい夜が待っている予感だ。
さて続きはどこに行こうか、ポルシェ911のハンドルを握りながら考えることにしよう。