Sea Ray 315 Sundancerをシェアし、「東京湾クルージング」エリカ編

このブログはジュンさん、カノくん、そして私(エリカ)の3人のストーリー。あらゆるシェアリングを活用して、セレブライフを探求している。

CAにとってコロナ禍は死活問題。シフトが明らかに減っている。昨年の同時期とは比べものにならない事態だ。
インバウンド業界活性化を狙った安倍政権の手腕は見事だったが、このコロナ禍によって壊滅状態。国際線は言うに及ばず、国内線も大幅な縮小を余儀なくされた。CAとしてシフトに入らなくても基本給は保証されているものの、歩合制の給与分はゼロ。驚くほどの所得減だ。ある程度の蓄えがあるから生活には困らないが、気持ちは滅入っていく、やることもないまま家に引きこもっている日々が続いていた。

そんな中でジュンさんの誘いは嬉しかった。気持ちが晴れるイベントをいつも企画してくれる。
今回はシェアリングサービス【Noleggio】を利用した「浦安マリーナ」での「東京湾クルージング」。
コロナ、猛暑、台風とテンションの下がる話題ばかりだったが、久しぶりに頭の中を空っぽにしてリフレッシュできそうだ。

BBQ

浦安マリーナでは会員だと食材だけ持ち込むだけで手軽にバーベキューも楽しめる。今日は、ジュンさんにカノくん、そしてそのお友達の女の子の4人でバーベキューとクルージング。
カノくんのお友達は以前にゴルフをプレーしたときにも来ている。柔らかな笑顔が印象的な女の子だが、時々見せる表情から芯の強さがうかがえた。カノくんには合わないタイプかとゴルフの時は思っていたが、ここまで続いているとは驚きだった。

「さあ、どんどん焼いていきますから食べていってくださいね!」

カノくんはこの子にいいところを見せようと必死だ。

「私は野菜が食べたいなー」

かわいらしい発言を聞いてカノくんはより一層気合いが入っている。どうやらこの子もカノくんに可愛らしさをアピールしようとしているらしい。

「あらあら、最近の若い子は草食系だこと。カノくん、私はお肉いただくわ」

皮肉っぽくそう言いながら私は牛カルビや牛ロースを味わった。さすがジュンさん、美味しいお肉を用意してくれている。

grill

「暑い中だけど海からの風が涼しいし、料理も美味しいし、今日はお招きいただいてありがとうございます」

笑顔でそう言いながら女の子が頭を下げた。大胆な白い水着から胸の谷間がくっきりと見える。真っ白い肌。
これにはカノくんだけでなく、ジュンさんも見とれていた。私も笑顔でその光景を見守っていたが、明らかに表情は引きつっていただろう。

「よし、それじゃあ、お待ちかねのクルージングに出かけるか!」

なんだかジュンさんまで気合いが入ってきているように思えるのは、私の気のせいだろうか?

cruiser

ジュンさんがNoleggioでシェアしているクルーザーは、「Sea Ray 315 Sundancer」。名前は「スクーデリア ウノ号」。昨年からシェアできるようになり、私も何度か搭乗させてもらっていた。スタイリッシュなボディと見た目以上に広くそして豪華な内装が私は気に入っている。

「凄い、ジュンさんってクルーザーの運転もできるんですね!」

「まあね、2級の免許があればこの船は運転できるんだよ。メーターもこうして集中しているから見やすいし、運転はしやすいよ」

興奮した女の子は私を押しのけるようにして、ジュンさんにピッタリとくっつきながら話を聞いている。自分の娘と同じ歳くらいの子に言い寄られて、ジュンさんはデレデレだ。ジュンさんはそんな私の冷たい視線に気づいたようで、慌てて運転を始めた。

captain's seat

「涼しい!見晴らしも最高ね!」

私はジュンさんにそう告げた。ジュンさんも笑顔で応えてくれる。

これまでの暑さが嘘のよう。気持ちの良い風。心地よい海の香り。浦安マリーナはあっという間に白波の向こう。日常のストレスやイライラがスッと消えていくのがわかった。

「エリカさんもこれどうぞ。食後のデザートです」

カノくんがイチゴのシャーベットを持ってきてくれた。こういう気が利くところがカノくんの可愛いところだ。女の子もカノくんと仲良くやっているようなので、私は安心して運転席のジュンさんのところへ。その肩にそっと頭を乗せた。安らぎと幸せを感じられるひとときだった。

Tokyo Bay

お台場を目指すスクーデリア号は軽快に海の上を進んでいった。気がつくともう東京ゲートブリッジだ。
後ろの二人の様子を確認しようと振り返ると、仲良さそうに話をして盛り上がっている。
しかし女の子は微妙に距離を取っているのがわかった。必死になっているのはカノくんの方で、女の子は冷静なのだ。そして時折私たちの方を見つめてきた。その目には嫉妬の色が見て取れた。

(この子、本当はジュンさん狙いなんじゃ?)

だとすればカノくんは見事にピエロ役を演じさせられていることになる。若くても女は女。したたかだ。私も似たようなものだから責める立場にはないが・・・

Tokyo Gate Bridge

カノくんにとっては一夏の恋。おそらく秋には失恋のラブソングに浸ることになるだろう。その時は慰めてあげよう。夏は熱くて切ないものだ。

「やっぱり一番夏がいいわね」

私はジュンさんの耳元でそう呟いた。

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