このブログは僕(ジュン)とエリカ、カノくんの3人のストーリー。あらゆるシェアリングを活用して、セレブライフを探求している。
今回の主役は、またまたカノくん。
最近はエリカへのアピールがアグレッシブになっているようだ。どうやらカノくんは本気らしい。ただし、相手は恋愛経験豊富なエリカ。僕ですら手強く感じている女性だ。はたして、カノくんがどこまでやれるのだろうか。
「BMW i8ね!」
待ち合わせの場所に到着すると、エリカさんはそう言って笑顔で迎えてくれた。
「さすが、エリカさん、一目見てわかるんですね」
「もちろん。i8のヘッドライトとキドニーグリルのフェイスは大好きだからね!」
「かっこいいですよね!僕も大好きです」
前回、八王子までデートした際はランボルギーニウラカン・ペルフォルマンテ・スパイダーだったのだが、長距離の場合はもっとリーズナブルなスーパーカーがいいかなと考え、今回は「Noleggio」でBMW i8をシェアさせてもらった。
「じゃあ、早速行きましょう! 今日はどんなところに連れって行ってくれるのか楽しみだわ!」
それを聞いて僕はすぐにBMW i8のポップアップドアを開けた。これもi8の特徴だ。195cmまで上がり、狭い駐車場でも乗り降りしやすい。
ランボルギーニウラカンとまではいかないが、BMW i8もeDRIVEを解除すれば、1.5Lの3気筒エンジンで時速100kmまで4.4秒で到達できる。それでいてハイブリッドスポーツカーなので、街中での走行は燃費良く走ることもできるのだ。
所有するならぜひこういう万能なスーパーカーがいい。ただし、今はまだシェアさせてもらうだけで精一杯。今日はBMW i8の快適さを堪能させてもらおう。
「今日も八王子のお店なの?」
「いえ、八王子までは行かないです。今回は小平市にある焼肉や新鮮刺身の美味しい『いろりの里』というお店ですよ。エリカさんはご存じでしたか?」
「ウウン。知らない。前回連れて行ってくれた、ひな鳥山っていう囲炉裏焼きのお店も美味しかったし、面白い趣向になっていたよね。小舟が料理を部屋まで運んでくれて可愛かったなー」
「ですよね!」
やはり前回のお店はエリカさんにとってストライクだったのだ。であれば、絶対に今回も喜んでくれるはず。僕は夕暮れの中、自信を持ってアクセルを踏んだ。
目的地に到着したのはディナーにはちょうどいい時間。車内でのお喋りも盛り上がって、お腹もすいてきた。
「素敵な日本庭園ねー! カノくんってこういった雰囲気のお店好きよね。いいセンスしていると思うわ」
いろりの里の日本庭園は見所のひとつ。夜になるとライトアップされ、昼間には見られない幻想的な景色が武蔵野の雑木林の中に浮かび上がる。
錦鯉が優雅に泳いでいる水路には水車の姿もあった。山里に踏み込んだというワクワク感が込み上げてくる。あわただしい日常を忘れることのできるこの空間にエリカさんも大満足のようだ。
個室に案内され、席についた。
「エリカさん、ぜひ日本酒を堪能していってください」
「じゃあ、お言葉に甘えて、お勧めの冷酒いただこうかしら」
お酒を飲んでいるエリカさんの姿を見ているだけでも、料理の味は何倍にも美味しく感じるので不思議だ。
と、日本庭園側から汽笛が鳴ってた。
「え? もしかして汽車が料理を運んでくれるの? どういう仕組み??」
エリカさんは興味津々だ。実は、いろりの里の日本庭園には実際に線路が敷かれていて、そこをC11という蒸気機関車が走っている。実物の1/12スケールではあるが、精巧な作りで、ファンも多く来店しているらしい。
料理ができると連絡がきて、この線路を走ってSL汽車が料理を部屋の前まで届けてくれる。汽笛は料理が届いたことの合図だ。子どもがいたらそれだけで大はしゃぎだろう。エリカさんも子どものように身を乗り出してその姿を見つめている。
「鬼滅の刃の無限列車みたい! なんかテンション上がるわね!」
部屋の前には、SL汽車が運んでくれた「新線刺身7種盛り」が届いた。この日本庭園を眺めながら美味しい和食を食べられるのは最高の贅沢だ。
「美味しい!!」
エリカさんも新鮮刺身と日本酒を堪能してくれている。表情は大満足の笑み。やはりここを選んで大正解だった。ジュンさんはきっとこういったお茶目なお店にはエリカさんを連れて行っていないはず。もしかすると、これで僕の方が一歩リードしたかもしれない。
いろりの里はこの新鮮刺身だけではない。焼肉も美味しい。
「お刺身も美味しくて、焼肉も食べられて、お酒も美味しくて、雰囲気も最高。カノくんってやっぱりいいお店知ってるね!」
「喜んでもらえて、僕も嬉しいです。さあ、じゃあ、一緒に肉を焼いて食べましょう」
僕にとっても最高の一日になった。折からの仮想通貨の急落相場で、最近ちょっとオーバーワークで疲れ気味だったが、あっという間に回復できた。おかげで明日からまた元気いっぱい頑張れる。
帰りは、酔っ払って眠っているエリカさんの寝顔を横目で見ながら、BMW i8の運転を楽しもう。きっと次のデートもエリカさんは期待してくれるに違いない。